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2011.09.10

「シュナの旅」-不遇な時期を乗り越える

「シュナの旅」はナウシカの原作の執筆開始とほぼ同時期にかかれた宮崎駿のファンタジー絵本である。
1983年6月に初版刊行ということは、もう今から28年も前ということになる。

しかし取り扱われるテーマと世界観は、まったくもって古びない。むしろ新鮮さすら感じた。
「風の谷のナウシカ」、「天空の城ラピュタ」、「もののけ姫」などアニメの金字塔的な作品を生み出す前の萌芽のような煌きを随所に感じることができた。個人的には傑作だと思う。

そんな素晴らしい内容なのだが、あとがきの当時の宮崎駿は大変弱気だ。あまりに地味な企画なのでアニメ化は諦めたのだと書かれている。中国あたりでアニメ化するしかないかも、とまである。いまでは高い評価をうけている「ルパン三世 カリオストロの城」が興行的には振るわず、ちょうど不遇な時期に重なっていたらしい。

本来の価値と評価がマッチしない不遇な時期をいかに乗り越えて先にすすめるか。そこは表現、実現したい世界への熱意と本気さが鍵となるのだろうか。そんなことを考えさせられた一冊だった。


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