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2004.10.17

情報家電市場における競争ルールを変えるための戦略の提案

情報家電の政策ペーパーを元にした諸課題の列挙及び一般ユーザーとの対話を行うための「e-Life」というサイトを、経済産業省とRIETIが共同で立ち上げている。意見、コメントを拾う仕組みとしてBlogを採用しているあたりが斬新である。

一通り資料を読んでみたところ、今回の提案の中で核となるのは、「EA(エンタープライズアーキテクチャ)の参照モデルを情報家電にも適用しましょう」ということだと思われる。そこで、第三章の「情報家電市場における競争ルールを変えるための戦略の提案」のところにトラックバックをしてみた。

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村上さんが抱いておられる情報家電の将来に対する危機感は、個人的にも感じていたことである。例えば、通信市場の盟主であるPCは、LonghornできちんとしたDRMを搭載して、国内のデジタル放送やハリウッド映画等、著作権の縛りが厳しいコンテンツに完全対応できる可能性が高い。また、デジカメなどによって生成されたプライベートなコンテンツが主にPCで管理されているという現状からすると、家庭内のデジタルコンテンツの最終保存場所という点でもPCがリードしている。こうしたことから、将来ホームサーバーの地位を獲得するのは、DVDレコーダーではなくPCになってしまっているというシナリオも十分想定できる。

現状の情報家電の問題点は、現行の薄型TVやDVDレコーダーの仕様を見ればよく分かるとおり、放送コンテンツに特化して成功してきた過去の成功体験から脱しきれていない家電メーカーの基本姿勢にある。ようやく最近になって、デジタル家電がいつまでも"1入れて1出す"という単一機能に特化したままでは、この先マーケットの拡大が見込めないという認識が、メーカーサイドでも生まれてきてはいる。

しかし、これまで放送コンテンツと数種類のプライベートコンテンツを扱う商品しか担当したことのないメーカーの担当者が、異なる伝送路から降ってくる多様なコンテンツに対応しようとしても、資料の9Pにあるようにコンテンツと技術の間を全く考えずに、一気に突っ走ってしまう。その結果、一体誰が使ってくれるのだろうかと首を傾げてしまうようなユーザー不在の機能が搭載されてしまい、失敗に終わるというケースが周りでよく散見される。

コンテンツと技術の間を埋める、「消費者行動」、「機能・データ」、「サービス」のレイヤーを意識した新機能の策定プロセスは、まさに今求められている要素だと思う。しかし、こういった観点で新商品を考えられる部署がメーカー内では見当たらない。戦略部は既存商品の数年後の市場を予想して、リソース配分を決めているだけだし、企画はそれに従って具体的な商品ラインナップと仕様を考案しているだけである。

今後、情報家電がネットワーク、そしてプラットホームという次なるステージで成功するためには、戦略、企画のカテゴリであるマーケティングの素養を持ち、なおかつ実装技術にも精通した人材が求められるだろう。それは、CNETで江島さんが書いていた「スーパービジョナリスト」やYahooや楽天などのネット企業で頭角を顕し始めた、サービスの企画立案、プロジェクトの実運営をこなす「プロデューサー」のような人たちに近い存在だと思う。

こういった立場のたち人が基本的なフレームワークとして使うことになる"情報家電版EA"の策定には期待せずにはいられない。
今後の展開や議論に注目していきたい。

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