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2004.08.26

このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのだろうか?

渡辺千賀さんのところで紹介されていた、「このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのだろうか?」を読んだ。

邦題へのつっこみが随所でなされているが、個人的にはこのタイトルが今の心境にぴったりなフレーズであったため、思わず購入してしまった。これまで自分が正しいと思った道を選んで、その道を全力で走り抜けてきたのだが、ふと自分の位置を確認したくなるような、そんな思いに近頃駆られていたのだ。

今の職場は優秀な人が多いし、与えられたミッションもそれなりにやりがいは感じる。しかし、CE機器開発の現場を知る過程で、数々の失望と落胆を経験した。これは自分の会社だけの問題なのかもしれないし、この業界はどこでも同じなのかもしれない。いずれにしても、自らの専門領域であるソフトウェア技術だけで解決できるような類いの問題ではなく、解決できそうなリソースやソリューションも周りに見当たらない。本当に今の職場のままでいいのだろうか。技術面以外の問題のために、いつのまにかソフトウェアに対する情熱が冷めてしまっていないだろうか。そんな思いに悩まされていたのである。

この本では、未来の夢のために、生活の糧を得るためだけの仕事にしがみつくという選択は間違っている、と述べている。富を得ても幸せは得られず、得られる対価と関わりなくその仕事に対して情熱を抱けるかどうかで幸福度が決まる。そしてどの仕事に対して本当の情熱を抱けるのかは、天啓のように稲妻が走るものではなく、内面にかすかに生じた思いと数々経験の中で少しずつ形成されていき、特定のタイミングで確信に変わるものらしい。

一番印象に残った話は、NASAで入社以来35歳までずっと働いてきたエンジニアの話だ。アメリカで、ハイテク業界に属する人が一箇所で仕事をすることは大変珍しいことらしい。(ITバブル以降は定着率が上がったらしいが)。「自分の格好いいと思う仕事」がNASAでの職であり、「より格好いい」と思う職があれば移ることに抵抗はない、というくだりに大変惹かれるものがあった。

自分がこの業界に入った原点を思い返せば、攻殻機動隊、エヴァンゲリオン、lainなどサイバーパンクものを夢中で観て、ネットゲームに明け暮れる日々を過ごしながら、なんとなく仮想世界に魅力を感じるようになり、そこに「格好いい」何かがあると思ったからだ。しかし、現実は泥臭いエンジニアリング作業と地道な努力の積み重ねが要される労働集約産業であり、そのギャップに戸惑い、さらに政治的要因や経営戦略の混迷など、別次元の問題に追い討ちをかけられて、打ちのめされそうになっていたのかもしれない。

しかし、この業界の将来に対して全く悲観的なわけではない。近い将来には思い描いていた世界が実現されるかもしれない。CE機器開発の現場はそこに最も近い位置である、と今でも信じている。この信念を抱ける間は今の職に留まるのがベストだ。

そんなことを考えた夏休みでした。

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2004.08.16

結婚しました

2004年8月12日、品川区役所で婚姻届を提出して、無事受理されました。
晩婚化と非婚化が進む中、わざわざ経済的に非効率な"結婚"をする決意に至ったのは、聖書の中の次の一句にありました。

日の下で神があなたにお与えになったあなたのむなしい命の日の限り,そのむなしい日の限り,自分の愛する妻と共に命を見よ。それが,命と,あなたが日の下で骨折って働いているその骨折りとにおける,あなたの分だからである。 あなたの手のなし得るすべてのことを力の限りを尽くして行なえ。シェオル,すなわちあなたの行こうとしている場所には,業も企ても知識も知恵もないからである。  伝道の書 9:9,10


当たり前のことですが人間には寿命があります。遅かれ早かれすべての人に必ず死が訪れるのです。人間社会がいかに死から目を背けてきたかについては、養老 孟司さんが「死の壁」の中で興味深い指摘をなさっていますが、この聖句を書いた古代イスラエルの賢王ソロモンは、死の現実を直視して人生とはむなしい命の日である、と率直に述べています。そのむなしい営みの中で価値のあるものは、愛する妻と共に生きることと、そのために骨折って一生懸命働くことであると述べているのです。

どんなに偉大な功績をあげても、どんなに凄いお金持ちになっても、どんなに高い地位に上り詰めたとしても、最後には必ず業も企ても知識も知恵もない、墓(=シェオル)に行くことになります。ならば、限りある人生の中で本当に愛し合えて、信じあえる人との暮らしを営んでいくために、日々全力を尽くして働くことに勝る幸せはないのかな、と思ったわけです。

既婚の諸先輩方、結婚に至った動機は何ですか?


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